欧州ビールめぐり

欧州ビールめぐり
ヨーロッパ鉄道旅情

欧州ビールめぐり

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ヨーロッパ鉄道旅情

ビール片手にビールの聖地めぐり

このウェブサイトを隅から隅までご覧の方は、「ビール好きな会社」と思われるかと。そのとおり。美味い一杯の為に一日がんばり(がんばらないと美味くありません)、食事を何にするかはビールありきで考えるほど。その土地の食事とともにその土地の酒を。これも旅の醍醐味です。

ヨーロッパといえばワイン。そして、忘れちゃいけないビール。ヨーロッパには、ビールの文化があちらこちらにあり、ワインのように製法や管理、飲み方にこだわったビールが沢山あります。

今回は、列車を利用してビールの聖地を巡るモデルプランをご案内します。

急ぐなら飛行機ですが、ビールを片手に車窓から風景を眺めながらの旅は格別です。東はチェコから始まり、西のアイルランドまで、12都市を巡るプランです(ルートマップはコチラ)。

見積もりフォーム、又はメールにてお問い合わせ、ご依頼ください。

古代エジプトの格言に倣ってビールの旅

幸せの極致にいる人間の口はビールで満たされている さぁ!幸せの極致へ!

最初はチェコ共和国 プラハから古城街道に沿って

ピルスナービール

プラハはチェコ共和国の首都。ビールは国民の飲み物とされています。銘柄は470以上。

1499年創業の醸造所レストランウ・フレク(U FLEKU)では、黒く濁ったダークビールが楽しめます。ウェイターがたくさんのジョッキを肩に乗せて、客の様子を見計らってテーブルへ。チェコのパブでは、空のジョッキをテーブルの上に置いたら、「もう1杯!」の合図です。くれぐれも飲みすぎにはご注意を!

プラハ中央駅から急行列車で1.5時間、ピルスナー・ビール発祥の地ピルゼンへ。Eurocityならプラハ09:11発、ピルゼン10:50着。

今では、世界の90%を占めるピルスナービールですが、1841年、ここピルゼンで偶然できた、澄んだ黄金色に輝くビールがそのルーツ。ビール作りに適したザーツのホップ畑と、ボヘミアの大地から流れる澄んだ水からできています。

ピルゼンでは、ピルスナー・ウルケル醸造所(PILSNER URQUELL BREWERY)へ。ピルスナー・ウルケルとは、「ピルゼン・オリジナル」の意味です。火入れされていない世界最高のピルスナーに、足を運ぶ価値あり。

また、チェコビールの歴史を知ることができるビール醸造博物館(PIVOVARSKE MUZEUM)へも是非。

古城街道を少し外れて、チェコ、ピルゼンから急行列車で4時間余、ドイツ、ミュンヘン中央駅へ。Eurocityなら、ピルゼン11:00発、ミュンヘン15:15着。

バイエルン地方の大都市 ミュンヘン

ミュンヘン中央駅

「芸術とビールのはざまで、ミュンヘンは丘と丘の間にある村のようだ」とはドイツの詩人、ハインリッヒ・ハイネの言葉。

オクトーバーフェスト(秋の収穫祭)の会場となる、すっかりおなじみのホフブロイハウス(HOFBRAUHAUS)は、もっとも有名なビアホール。ここで飲まれるビールは、1日当たり約1万リットルとも言われます。

バイエルン州の古都 レーゲンスブルク

ミュンヘンを拠点に、外せない2箇所へ日帰り旅行を。

まずは、ミュンヘン中央駅から快速列車で片道1.5時間、バイエルン州の古都レーゲンスブルクへ。こここそ、ドイツビールの聖地です。

世界最古の修道院醸造所であるヴェルテンブルグ醸造所(WELTENBURG KLOSTERBRAUEREI)では、1516年、バイエルン君主ウィルヘルム4世が発令した「ビール純粋令」を頑なに守って、ビールを醸造しています。ビール作りに、大麦、酵母、ホップ、水だけしか使うことができないという趣旨の法律です。

醸造所に隣接したレストランや、ドナウ川のたもとに石橋作りの職人のために始められた世界最古のソーセージ店ヒストリーシェ・ブルストキュッ(HISTORISCHE WURSTKUCHE)で、ヴェルテンブルグ・ビールを味わうことができます。

フランケン地方の古都 バンベルク

あくる日は、古城街道沿に沿って、ミュンヘン中央駅から特急列車で片道2時間、フランケン地方の古都、町そのものが世界遺産のバンベルクへ。

7つの丘に囲まれた立地が似ていることから「ドイツのローマ」、または、運河がはりめぐらされた様子から「ドイツのベニス」と称される美しい町で、10あるビール醸造所の2軒で、世界的にも珍しい燻製ビール(ラオホビア)を作っています。

フランケン地方では、昔からブナ材を使って燻して乾燥させた麦芽を使ってビールを醸造。ヘラー醸造所(BRAUEREI SCHLENKERLA HELLER BRAU)は、昔とまったく変わらぬ製法で麦芽を薫製し、700年以上前に作られた地下トンネルをセラーとして使って保管し、手作業で木樽へつめて出荷するという、ビールの歴史そのもの。

人気の直営パブ「シュレンケルレ」では、名物の燻製ロースト・ポークやアイスバインとともに、豊潤で香り高い燻製ビールが楽しめます。

ドイツ第2の都市 ハンブルク

インターシティー 食堂車1
インターシティー 食堂車2

ミュンヘンを後にし、ドイツの新幹線InterCity Expressで5.5時間。ICE-880なら、ミュンヘン中央駅10:20発、ハンブルク15:54着。

列車の旅ならではの醍醐味、車窓からの眺めとともに、食堂車やバーでお食事やビールを楽しみましょう。中世後期には、ハンザ同盟の中心都市として栄え、バルト海沿岸の貿易を独占し、ここを拠点に世界中にドイツビールを広めました。

ハンブルクを代表する、ホルステン醸造所(HOLSTEN BRAUEREI)も、「ビール純粋令」を忠実に守り、管理システムにコンピューターが導入された今日でも、熟練のマイスターの技術を最優先にピルスナー・ビールを醸造。ドイツ南部と比べ、北部では苦いビールが好まれるので、贅沢にホップを使用しているんだとか。

名物、ニシンの酢漬けをパンで挟んだサンドイッチとともに、苦味の利いたピルスナービールを。

オランダ アムステルダム

ICE-1023で、ハンブルク09:46発、オスナブリュック11:35着、InterCityに乗り換えICE-148で、オスナブリュック11:53発、アムステルダム南駅15:02着。

ドイツ同様、船貿易でオランダビールを世界中に広めた都市です。今では国際的なブランドとなり、170か国で飲まれているハイネケンは有名。ハイネケン醸造所(HEINEKEN BREWERY)は、アムステルダム南駅と中央駅のほぼ中間あたり。

アムステルダム中央駅からバスで35分、港町フォーレンダムの名物、ニシンの塩漬け&酢漬け。コレで一杯はたまりません。

ベルギー ブリュッセル

アムステルダム中央駅08:56発、InterCityでブリュッセル中央駅に11:38着。わずか3時間弱です。

ベルギーでは、上面発酵で醸造されるエール・ビールが主流。酵母を常温で短時間に発酵させ、複雑な香りと深いコク、フルーティーな味を生み出すスタイルです。

ベルギー国民もビールが大好き。国内には120もの醸造所があり、銘柄は800以上。

首都ブリュッセルから、バスでの移動のみとなる、白ビールの代表ヒューガルデン醸造所(HOEGAARDEN BREWERY)では、コリアンダーなどのハーブを使用した白ビールを醸造しています。隣接したレストランでは、ビール料理(味付け、コクなどにビールを使用)を楽しむことができます。

また、ブリュッセルからの日帰りでは、アントワーブ経由で1.5時間のプアス(PUURS)には、有名なデュヴェル醸造所(BREWERY DUVEL MOORTGAT)があります。アルコール度数が高い(8.5%)のにクリーミーな泡立ちは、「悪魔のビール」といわれています。このビールは、専用のチューリップ形のグラスで飲むのが正統。

ブリュッセルでは、自然発酵ビールの「ランビック・ビール」というものもあります。これは、まるでワインのような取り扱い。何年も寝かせたランビック・ビールは、ヴィンテージ・ビールになり、ゲントの町では、このヴィンテージ・ビールを専門に取り扱うパブもあるほど。代表的な銘柄はカンティヨンです。

イギリス ロンドン

セントパンクラス

ベルギーからは、ユーロスターで一路イギリス、ロンドンへ。ユーロスター9127、ブリュッセルMIDI駅を11:50に出発し、13:08にはロンドンST. PANCRAS INTERNATIONAL駅に到着します。

ヨーロッパの列車は駅に改札がなく、構内に自由に入ることができます。検札は列車の中で行われるためです。ところが、スペインのAVEやタリス、その他一部の列車同様、ユーロスター乗車の際は専用改札の他、出入国手続き、セキュリティチェックがあります。

ベルギー同様、イギリスもエールビールが主流です。イギリス伝統のリアルエールで、500もの醸造所があり、銘柄は2500以上。

国内に60,000店もあるパブは、まさにイギリス国民の生活の一部。最初に好みのビールを頼み、支払いが済めば、飲み方は自由です。食事も多種多様で、ステーキ、オムレツ、キドニーパイ、チップス(フレンチフライかポムフリッツ)、そして名物フィッシュ&チップスなどなど・・・。

パブで間違えやすいメニューが、「PLOUGHMAN'S LUNCH/農夫の昼食」と「JACKETS」。前者はパンと(大抵)サラダとピクルスで、チーズと時にはパテが付け合わせになっており、後者は皮つきのまま焼いたポテトに、チーズ、ベークドビーンズ、ツナなどの付け合わせを添えたものをいいます。旅行者は、特に注意が必要なようです。

アイルランド ダブリン

アイリッシュビール

ロンドンから最後の聖地、アイルランドのダブリンへは、さすがに海を列車で渡ることはできないので、飛行機で向かいます。

ここには、世界最大のビール醸造所、ギネスがあります。ダブリンはギネス発祥の地、世界でギネスを最も楽しめる町です。

ギネスの醸造所、セント・ジェームス・ゲート醸造所に隣接するギネス・ストアハウスは、ギネスの歴史を納めた7階建てのギネスの殿堂とも言える建物。ギネス・ショップ、バー、レストランなどがある公式ビジター・センターです。

ダブリンだけでも800軒もあるというパブは、アイルランドの文化が凝縮された社交場。どんな小さな村にも、必ず1軒はあります。アイルランドでの楽しみは、このパブで夜毎行われる伝統音楽とダンスのセッションです。フィドル(バイオリン)を主体とした、民族楽器で演奏される即興音楽に合わせたアイリッシュダンスのショーが行われ、観客、演奏者が一体となります。

また、旅行者にはパブ・ランチも楽しみの一つです。

アイルランド国内については別途「鉄道旅情 アイルランド」をご参照ください。

このプランの列車利用は9日間(イギリス〜アイルランドの空路移動を除く)、ユーロスターがフランスを通るため、イギリスを除く5か国に適用のユーレイル・グローバルパス(15日間連続通用・1等利用、2等は25歳以下のユースのみ)利用が便利です(InterCity Express、ユーロスターなど各座席指定料金を除く)。

最上部右側、及び最下方写真提供: アイルランド政府観光局

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