鉄道で行けるイタリアの最も美しい村々 2

鉄道で行けるイタリアの最も美しい村々 2
エミリア=ロマーニャ、アブルッツォ

鉄道で行けるイタリアの最も美しい村々 2

鉄道で行けるイタリアの最も美しい村々 2
エミリア=ロマーニャ、
アブルッツォ

スタッフが実際に訪れた「イタリアの最も美しい村々」を鉄道でめぐる

イタリアを旅する魅力は、大都市ばかりではありません。 イタリアには、一般的にはあまり知られていない、しかし歴史的価値やその景観の美しさを持つ「イタリアの最も美しい村々」があります。2025年現在の総数は372ですが、そのほとんどはアクセスしにくい辺境の村ばかり。それゆえ何世紀にもわたって創られ、受け継がれてきた美しさを守り、維持することができたとも言えます。

ですが、中には都市部から鉄道でアクセス可能な村もあります。当社がグループツアーや個人的視察を通して訪ねてきた中から、鉄道で訪れることができる「イタリアの最も美しい村々」を紹介します。実際に訪ねているだけあって、訪れた村は全てすみからすみまで熟知しているので、パッケージツアーでは訪れることができないオーダーメイドの「イタリアの最も美しい村々」旅行のご案内が可能です。

ここでは、エミリア=ロマーニャ州のブリジゲッラ、アブルッツォ州のタリアコッツォを紹介します。鉄道で行けるイタリアの最も美しい村々、トスカーナとウンブリア編は以下をご参照ください。

ボローニャ、ラヴェンナ起点のエミリア=ロマーニャの美しい村 - ブリジゲッラ

アクセス ボローニャ、ラヴェンナからファエンツァ乗り換えで約1.5時間

村を見下ろす3つの白亜の岩壁が突き立つ尖峰には、時計塔、城塞、聖母マリア聖所記念堂があります。村の起源は古く、新石器時代と青銅器時代まで遡ります。

この村は

と、複数の称号を併せ持つ珍しい村です。さらには、イタリアの温泉テルメもあり、日本ではほとんど知られていないこの小さな村に、多くの観光客が訪れます。 特に有名なのは、欧州DOPを誇るエクストラ・バージン・オリーブオイルと、村を囲む地域で作られるワイン、サンジョベーゼ・ディ・ロマーニャ。イタリアを代表する赤ワインの品種のひとつサンジョベーゼは、日本でもよく飲まれています。

❑ ブリジゲッラの「見るべき」

3つの尖峰のひとつには、1310年にファエンツァの領主マンフレーディ家によって建てられた城塞がそびえています。1500年からわずか3年間チェーザレ・ボルジアの手に渡りましたが、その時以外はマンフレーディ家一族の所有でした。また、城塞に先立ち1290年にマギナルド・パガーニ・ダ・スシナーナによって四角い白亜のブロックで建てられた時計塔は、その後建てられた城塞とともに、防衛システムのひとつとされています。 3つの尖峰の最後は、聖母マリア聖所記念堂(マドンナ・デル・モンティチーノ)。1626年に無名の芸術家によって制作された神聖な多色テラコッタ像が崇拝されており、元々はポルタ・ブオンファンテ近くの小さな聖櫃に置かれていました。1662年に、教会は礼拝堂に移されました。

村の歴史的中心部にあるボルゴ通りまたはアシニ通りは、 背後にある中世の城塞の防御拠点であり、さまざまな大きさの半アーチで高く盛り上げられいます。非常に独特な建築で有名で、 そこに住んでいた荷馬車引きの動物たちに隠れ家を提供していたことから「ロバ通り」として知られています。 すぐ近くには、1490年にポルタ・フィオレンティーナ近くの古代の城壁内に建てられ、近くの石膏鉱脈から水を供給してきた村の最も古い公共の噴水、フォンタナ・ヴェッキアがあります。

8人の枢機卿を生んだブリジゲッラには、数多くの神聖な建造物があります。 中でも特に目立つのが、5世紀頃に建てられ、11〜12世紀の間にさらに大規模に再建されたサン・ジョヴァンニ・イン・オッターヴォ教会。村の郊外、ファエンツァからトスカーナに至る古代ローマ街道沿いに佇んでいます。

❑ ブリジゲッラの宿泊

客室54室の割と大きめの3っ星ホテルHotel La Meridianaは、スタッフが添乗員としてブリジゲッラを訪れた際利用しました。中心部からは少し離れていますが、村全体は歩いて回れる大きさなので気になりません。そのほか、中心部には小さめのホテルが数軒あります。

❑ Brisighella Photo Gallarey

ペスカーラ、スルモナ起点のアブルッツォの美しい村 - タリアコッツォ

アクセス ペスカーラ〜ローマ線の直通電車にてスルモナまで約40分、タリアコッツォまで約2時間

タリアコッツォは「岩の切れ目」を意味し、ラテン語の「talus(切り込み)」と「cotium(岩)」に由来し、山を分割し都市集落が発達した亀裂を示しています。中世とルネッサンスの建造物が入り交じったこの村は、ローマとマルシカを結ぶヴァレリア街道に面しています。11世紀には、すでにマルシ伯領に属するチヴィタ山の城を拠点とした集落が存在したことが記録されています。

❑ タリアコッツォの「見るべき」

旧市街の入り口は、1410年に築かれた城壁にある5つの門のうちのひとつマルシ門と、それに続くボルゴ・ヴェッキオ通り。 そこをくぐるとすぐに現れるのは、アブルッツォ州で最も調和のとれた広場のひとつであるオベリスコ広場。かつてピエディ広場と呼ばれていた頃から村の活気ある中心地となっています。中央には、破産した債務者が公衆の面前でさらし台にされる石の座席、ピロッツォがありましたが、1825年頃にオベリスク付きの噴水に置き換えられました。周囲には改装された建物やかつてのままの古びた建物があり、優美な縦桟窓、丸いアーチのあるロッジア、ルネッサンス様式の窓を見ることができます。

テアトロ・タリアは、1686年に劇場として使用されていた元ベネディクト会修道院で、さまざまなイベントを経て2002年に改装されました。落ち着いた上品な外観で、内部には3層のボックス席があり、200人以上を収容できます。 タリアコッツォの芸術的遺産の真珠とも言えるドゥカーレ宮殿の建設は14世紀前半に遡り、第2期の建設は15世紀後半、指導者ロベルト オルシーニ伯爵の指揮下で行われました。

サン・フランチェスコ教会と修道院には、アッシジの貧しい人の最初の伝記作家である聖トンマーゾ・ダ・チェラーノ(1190-1260)の墓があります。しかし、タリアコッツォに聖フランチェスコが来たかどうかについては確かなことは分かりません。17世紀初頭、回廊の建設と同時に改築され、その時に聖フランチェスコの生涯の出来事がフレスコ画で描かれました。18世紀にバロック様式で建てられた教会は、1809年のナポレオンの勅令により閉鎖され、市の公共サービスに使用されました。1960年に修復され、フランシスコ会の本部としての使命と、当初の厳粛さを取り戻しました。 聖コスマ教会は、長年にわたり盗難や略奪に遭ってきたにもかかわらず、最も古く、 8世紀に遡るロマネスク様式の建物です。注目すべきは、入口とバラ窓のあるファサード、鐘楼、中央祭壇です。

❑ タリアコッツォの宿泊

駅周辺には小さな3っ星ホテルが数軒、旧市街周辺にはB&Bなどがあります。視察の際は、スルモナから日帰りで訪れました。

❑ Tagliacozzo Photo Gallarey

イタリア鉄道旅行をオーダーメイド

「イタリアの美しい村々」では自由に散策し、出来れば宿泊したいもの。起点の町に前後宿泊して「イタリアの美しい村々」を訪れれば、パッケージツアーにはないオリジナルの旅行が可能です。 最低限必要なのは、航空券、各町や村の宿泊、そして移動のためのレイルチケットです。

❑ レイルチケット

イタリアで電車を乗り降りして自由に旅行を楽しみたいなら、日本出発前にユーレイル・イタリアパスが便利。イタリア国鉄(FS)全線にて有効な鉄道パスです。 座席指定が必要なフレッチャロッサやIC、ECなどは、別途パスホルダーチケット(鉄道パス保持者用割引チケット)を購入の上、利用出来ます。私鉄のItaloは利用できません。 利用開始から1ヶ月以内の間で日にちを選んで利用できるフレキシータイプのパスで、3・4・5・8日間の設定が可能です。

日本発着からフル・オーダーメイドでも承りますが、レイルパスだけ購入する場合は以下から購入出来ます。 (注)下記リンクサイトより直接購入される場合は、お客様と株式会社欧州エクスプレス間の契約になります。

ユーレイル・イタリアパス 料金・購入

❑ オーダーメイド旅行の基本

オーダーメイド旅行の計画は、以下をご参照ください。

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